今日ぷちコンの結果発表ライブを見逃してしまったのが痛恨の極み。
改めまして、
開催いただいたhistoriaさま、審査されたみなさま、参加されたみなさまおつかれさまでした。
昨今のコロナ対応で通常業務もままならない中 なんとか無事に発表会も開かれて、調整やら準備やら大変だったと思います。
ぷちコンというステキな場を与えていただき本当に感謝の言葉しかありません。
次回の予告もあったので安心しました。
さてさてその審査発表の結果ですが、なんと
徳が高いで賞 を頂きました! ありがとうございます!
今回の参加作品はこちらです
テーマは「さく」 → ぷちコン詳細ページ
相変わらずいろんな「読み」が可能なワードを選ばれるので、ネタの被りを回避しやすいからかなと思うんだけど、その分 奇をてらってしまってなかなか作品としてまとまる気配がないまま三週間ほど経ってしまった。
キャラクターを制御するスキルが無いのはなんとかしないと選択肢が広がらないのを痛感。
今回の審査発表にてそれとなくコメントがあったので、
受賞にあたって応募作品制作の簡単な流れとアセットとかBPなんかを一部紹介してみようかと思い、取り急ぎ書くことにしました。
まず最初に考えたこと(着想)
- 上空から雫を落として地上の花の蕾に当てると花が咲く(テーマ回収)
- ゲームパッドのトリガーで左右から風を吹かして雫を左右に寄せる
- トリガーの引き具合で強い風を当てると雫が小さくなる
- 花は一つで雫を一定量当てないと開花しない
- 落下中に雲にあたると、加速度はリセットされて雲のどこか(ランダム位置)から再び落下
- 途中画面の端を出たりトンボなどの障害に当てると失敗
- 風のエフェクトでリボンを使いたい
- いい感じの雫感
- 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の冒頭のようなイメージ
- 和風でスタイライズした絵作り
実際に作ってみて(実践)
- 標的がカメラに入ってくるまでズレが認識しづらく緊張感がない
- ある程度落下したらカメラを引くようにしてみた
- 標的のある位置からまっすぐ上に柱的な光の筋を置いてみた
- 垂直方向の落下を扱うのに横画面は向いてない
- そもそも狙って当てた感が弱い
- ナイアガラを使いこなす時間が必要だった
- やっぱり物理難しい
- まだまだ知らないことがいっぱいあった
ということでどうにかしないと
とりあえず雲のモデルを作って雫を乗せてみたら、ふっと 昔ゲーセンに置いてあったゲーム機(ジャンル的にはコリントゲームとかスマートボールというよりもシーソーゲームというジャンルらしい)で拾円やらボールをゴールまで運ぶやつを連想。
ゲームパッドのトリガーで傾きをアナログ制御すればできそうな気がしてきたので、動かしてみたら、狙って落とす感覚が出てきた。
PlayerController で左右のトリガー量を検出。
このイベントはトリガーに指が触れていなくても毎フレーム?0.0~1.0で値を返し続けます。値の大きい方を十倍にして一つの変数に保持。
それを 雲BP の方からPlayerControllerにアクセスして値を取得。角度に適用というフローにしてみました。雲BPの数を管理しなくてもいいので楽でした。
雲をいくらか配置して遊んでみたら、十分遊べそうな手応えを感じたので超上空からの落下をやめることにしました。
記事を書きつつ改めて触ってみたら左右のトリガーの優先判定処理がバグっていたので、スティック操作の方が向いてたなと、今になって思う。
ただ花が咲くだけなのも単調なので
ハスの資料を漁りながら、花托の不気味さにおののきつつ、四種類ほどの花弁を作ればいいや。それでゆっくり開いたらキレイかな~と甘々なことを考えながらモデルを作ってみたら、花弁一枚つくるのに思いのほか時間がかかってしまい、サクッと作り切れる自信がなくなってくる。
このときアーケードゲーム機のイメージに引っ張られていたのもあってサクッと作れるタイプに変更。
さらに画面が横長なので横に五つ並べて賑やかさアップ。
雲のカタチを考えるときに見ていた仏教系の資料で、五色の彩雲というのがあってそれをヒントに、花が開くとなんかエフェクトを出そう、しかも五色の。
全部咲かすことができたら、何か揃う感じ?
五色といえば・・・あれか(ここでひらめく)
花の数え方にちなんで 輪っかを五つ、カラーをセットして出現するようにしてみた。
今年に入っていろいろドタバタしてるし、私自身それほどときめいているわけではないので、そんな自分が例のシンボルを出してうぇーい、ってやるのはどうなのか、と我に返ってしまい非表示に決定。
結局 カウント用の囲み文字だけが残った形。
お手本をみながらお習字しました。
輪を平仮名にしたかったのと字面的に四と五だけ漢数字です
もっとエフェクトで遊びたかったな。
縦書き
特にこれといって盛り上がる要素もないままだけど、なんとかそれらしくはなったのが締め切り前日。
急いで体裁を整えなきゃということで、毛筆のフォント入手してインポート。
カウント表示を作り始めたのはいいものの、縦書きにこだわって結構時間がかかってしまった。一二三を縦書きにすると読みにくいので、なんとか十を入れ込もうとしたのが原因。
賢い方法が降りてこなかったので、ちょっと強引な方法で対応。
とりあえず 百 まではカウント可能。
漢数字で 廿 とか 丗 もやりたかったけど、フォントに含まれていなかったので断念。
これについてはまた別途検証してみたいな。
ちなみに「の雫」 はフォントにグリフが無かったのでテクスチャで用意。VerticalBox でタテに並べている。
結局タイトル画面もないまま
ギリギリまで背景描いたり、操作ナビの表示タイミング調整したり、 急いで動画撮って編集できたのが締め切り当日の午前4時。
時期的に仕事がちょうど詰まってなかったのでよかった。
あっさりシンプルな構成とアセット
エンジンのバージョンは 4.24
使用したテンプレートは Side Scroller
花と雲はモデルを作りました。
カメラが動かないのと画角が狭いので厚みはほぼ見えない。
背景は載せるのをためらうくらい雑過ぎるのですが、二Kの正方形一枚。
(受賞取りやめになったらどうしよう・・・)
カメラのFOVと引きで、意外に距離感が出せたのが割と気に入ってます。
ボカシ掛けたくなってきたので、背景はこの辺にしておこう。
このカメラの動きでちょっと試してみたのが こちら。
タイムラインはこのFloat型のカーブが一本。
この出力だけ作ってあとは、Lerp ノードに値を入れて調整。
カーブエディタをいじるより調整が楽だったので、開始と最終の状態が決定するまではこの方法は悪くない気がする。
花弁が開くところは、Vector型のカーブにして、外側の花弁より内側にかけてXYZのカーブで三つの尺を用意。これもカーブの変化量は 0.0~1.0。
同じように Lerpノードで開く量を調整しています。
0~1のカーブアニメーションは掛け算でも扱いやすいので結構重宝します。
最後に
とまぁ今回あまりテクニックとしては目立ったところが出せない分、ビジュアルを頑張ってみた結果、なんとか雰囲気は出せたかなと思ってます。
プレイしてみると、不思議とイライラせずに繰り返し雫を落とし続ける自分がいました。途中ピンボールの玉のように重い感じにしようとしたのですが、むしろこのふわっとした感じが、ある種の落ち着きというか、幻想的な印象を与えてくれている気がしないでもない。
そんな、自分でもちょっと不思議なとこに着地した感のある作品になったと思います。
最近啓蒙の甲斐あって UE4を気に入って触ってくれている後輩に、ぷちコン出そうぜ!って言ったら、「いいですね~頑張ります!」というので、こちらも出さないわけにはいかない空気になって、引くに引けなくなってという次第。
ぶっちゃけ去年秋から二月にかけて、忙しくてあまりUE4を触れていない時間が多かったので、久しぶりにガッツリと楽しめました。
ステキな応募作品がたくさんある中で、まさか受賞するとは驚きです。しかも徳が高いっていうコトバが、めったに聞かないせいか頭の中でしばらくつながらなかったのが可笑しかった。
確かに誰も狙わなさそうな方向性だなとは思ってました。海外製のゲームエンジンだけれど和の表現どんどんやってこーぜ!というのを見せられたらいいなと思ってたのもちょっぴりあります。
選んでいただいて本当にありがとうございました。
ぷちコンの存在はとても貴重だと思います。
個人的にはかつてのベーマガのような有難みと期待を感じています。
これからもぷちコンがますます注目を集めてUE4プレイヤーが一人でも増えることを祈りつつ
小さなブログではありますが陰ながら応援していければと思っています。
ではでは
ステキなUE4ライフを!